淡きひかりたつ

 

太陽は出ていても

何度も雨が降り 窓を叩き

止んでも 冷たい風が吹きさらしている。

 

窓を開けたら 潮の香り と ウミネコの声

トンビの笛が聴こえる

 

春にしては寒い、ようにも思うが

昔はこんなものだった気もする。

 

浜はどんどん痩せていく。

 

大火にあった椎の木は 樹齢何年になるのか

ずっと 此処を見守ってきた。

 

父は、諦めているのか。

まだ何かを慮っているかのように

目を閉じている。

 

 

雨の気配は ひかりにとけて

 

ひかりは 雨によって 淡くひかる